ソーシャルビジネスがテーマのイベントに参加してきました。

言葉はよく聞くしどのような事業かも何となくしか把握できていなかった中、社会起業家向けのプラットフォームを創り上げ、ソーシャルビジネスのみ30もの事業を手がけるボーダレス・ジャパンの代表である田口さんの、”誰も取り残さないビジネスのつくり方”が大変勉強になりました。
社会問題とは誰も取り組まない分野が多く、参入するにも、参入した後ですらも経済面での課題に、必ずどこかで向き合わなければならず、その結果やめることを選択することを余儀なくされる人も少なくないのが現実とのこと。そこで、その課題を見事に解決に繋げさらに事業として成長させているそうです。社会起業を目指す方にとって、やりたいことができるビジネスモデルなのではないかと感じました。

またゲストスピーカーの中にスプツニ子(wikiにリンク)さんがいらっしゃったことも参加を決めた理由の一つ!ちょっと変わった経歴を持つ彼女ですが、20代半ばのこと数年前にテレビで知ってから、「なんて不思議な発想力を持つ人なのだろう!」と、彼女の話に引き込まれてからずっと気になってました。
どんな発想力か?
男性でも生理痛が体験できるマシーンを作ったり、カラスと会話ができる装置を発明したり(笑)その当時まだ20代半ばと紹介されてましたがMITの助教授をしていたり!現在は色々経て、日本に!東京芸大のこれまた准教授をされてるそうですが、アーティストでもあり今回も”問いを立てるデザイン”というテーマで彼女独自の視点から色々教えてくれました。その内容がこれまたオモシロいこと!例えば・・
AIが人間の人種差別のデータをそのままコピーしていることで生じている問題であったり、一見良さそうな機能が異なる視点から見ると誤った刷り込みになるのではと問題視されていること。
またユニークなところでは、「パクチー好きですか?」という質問。
パクチーが苦手な人の中には、パクチーを食べると石けんの味がするという人がいるそうなのです。これってそういうDNAがあるのだそう!
また女性から精子をつくることもいずれ可能になるかもしれない未来について語ってくれたり、その時にどのような選択をするのか、実在する女性同士のカップルに、CGを用いて、この2人のDNAから計算して想定された仮想の娘たちとのアルバムを制作するという不思議なドキュメンタリーを紹介してくれました。実際にNHKで以前に放送された番組なのだそうですが、反響もすごかったそうですが、選択するのかどうか?立場が変われば味方も変わり、その人が大切にする価値観も絡んでくる。非常に考えさせられるテーマでした。
これ以外にもユニークな彼女のWorkが次々と紹介されてとっても刺激的。そして最後にこう締めくくっていました。
「人の発想が変われば世界は変わる」
彼女自身がそれを実現していることで、これは不確かな未来ではなくて、確実に現実になることだろう、と希望が持てませんか?またユニークな発想=アウトプットのためにはインプットの質が大事!彼女のオモシロい経歴があるからこそ生まれた発想なのだろうな、と改めて感じることもできました。
独特な発想力が半端ない彼女の世界観に引き込まれ、もっともっとお話が聞いてみたかったです!気になる方は公式サイトやFacebookでCheckしてみてください。
Sputniko! (公式サイト)

次はSDGパートナーズという企業のSDGs事業支援をされている方のお話でした。
本題に入る前に、国連時代に関わっていたお仕事のシーンを数枚の写真で紹介してくれました。例えばカンボジアのゴミ処理場近辺に住む子どもたちの話。生存の選択すらままならないという環境で生活していると説明されていましたが、見せてくれた写真は笑顔がとってもかわいい子どもたちがたくさん映っていました。「この子たちが今生きていれば成人しています.ですが生きているのか、わかりません。」私にもこの写真と同じ年の子どもがいるので、この言葉は非常に重かったです。
そこからSDGsで掲げるあらゆる問題の解決に向けた目標について説明へと入っていきました。
今企業も自社の事業にどうSDGsを取り入れていくかという課題を抱えているそうですが、多くがその紐付けの段階で思考が停止してしまうそう。(日本ではあらゆるところで耳にする”思考停止”の言葉。ここでも!)そこである2社の事例の紹介、17の目標それぞれを単体で考えるのではなく繋げる流れをつくるポイントなどについて説明してくださいました。
そして日本が最優先すべきはジェンダーの平等。
様々な男女差別もあるのでこれらの課題の解消はもちろんですが、それよりも驚いたことがありましたよ!日本は専業主婦率も高いことはよく知られていますが、この女性たちが働くことで今後20年で日本のGDPが20%もアップするのではというデータがあるそうです!
20%はすごいと思いませんか?!日本の女性たちにこれほどの潜在的な可能性があることにワクワクしました!
社会問題はそう簡単に解決していけるものではないのですが、SDGsではたった15年後の2030年をゴールに目標を置いていますよね。15年ってあっという間です。
私には一個人として、何ができるだろう?
そう考えると、社会問題に直結ではないものの、マインドマップは思考のツール。あらゆる問題はつまるところ、ものの”考え方”、”捉え方”次第だと、この数年の活動を通して痛感してきたこともあり、やっぱりこの素晴らしいツールで、思考という切り口から社会に貢献していきたいと、最近は特に感じています。
そして我が家の息子。まだ小4ですが、何がきっかけなのか、ホームレスの問題に対する関心が非常に高く、その影響もあって私も息子に情報提供をするため、社会起業というものに最近触れる機会を作っているのかもしれません。今日見聞きした話も夜軽く伝えたところ関心を持ったようです。また明日詳しく話し、息子の考えなども聞いてみたいです。
このフォーラムのメインはこの次のムハマド・ユヌス博士のお話であったのですが、都合により残念ながら私は1部のみ。とは言え、社会起業についてしっかりと学ぶことができましたし、非常に収穫の多い時間でした。お話の中で、経済は人の感情で動く、とおっしゃっていた方がいらっしゃいましたが、「何かやりたい!」という気持ちも、人のその熱意に惹かれて動くよなー、と。今はあらゆるものがオンライン上で成立する時代ですが、こうして直に人に触れ話を聞くことが、私にとっては一番の原動力になります。